有限会社古山製麺所

ー中華麺の添加物・かんすいを詳しく紹介|気になる安全性も解説ー

一般的に中華麺は小麦粉と水、そして「かんすい」から作られます。

かんすいは中華麺を作るうえで欠かせない添加物です。

しかし、「添加物だから身体に悪いのでは?」と気になる方もいることでしょう。

そこで、かんすいとは何かに切り込みます。

 

 

中華麺の添加物・かんすいの原料と役割

うどんやパスタのように、中華麺も小麦粉と水が原材料です。

しかし違うのは、中華麺にはかんすいが添加物として加えられていることです。

では、かんすいとはどのような添加物なのでしょうか。

 

かんすいの原料

かんすいの原料は主に以下の種類があり、アルカリ性の添加物です。

 

・炭酸カリウム

・炭酸ナトリウム

・リン酸塩

 

上記のうち一つ、または2種類以上の成分を混ぜて作られます。

 

炭酸カリウムと炭酸ナトリウムは、餃子の皮やこんにゃくの原料として、リン酸塩は加工肉に使われることのある添加物です。

 

これらの添加物をかんすいとして使う場合は、原材料表示に「炭酸カリウム」「炭酸ナトリウム」ではなく、単に「かんすい」と表記して良いと認められています。

 

 

かんすいの役割

かんすいの役割は次の通りです。

 

・麺にツヤや弾力性を生み出す

・独特の風味を出す

・麺を淡い黄色に仕上げる

 

このようにかんすいを添加することで、コシと弾力のある食感の良い麺が作れます。

よって、かんすいを使わずに水と小麦粉だけで麺を作ると、「うどん」になってしまいます。

おいしいラーメンはかんすいなしには作れないといっても過言ではないでしょう。

 

 

かんすいの効果

かんすいを加えると麺に弾力性が生まれるのは、小麦粉に含まれるグルテンとアルカリ性の作用によるものです。

グルテンがかんすいのアルカリ性物質と混ざり合うと収斂作用が働き、生地が縮み、弾力やコシが生まれるという仕組みです。

 

また、中華麺が淡い黄色をしていることも、かんすいと小麦粉の化学反応が原因です。

小麦粉に含まれるフラボノイド系色素は、アルカリ性物質と混ざると淡い黄色に発色します。

そのため、色素系の添加物を加えずとも、黄色い中華麺ができあがるのです。

 

しかしなかには、よりおいしそうに見せるために、添加物として着色料を加えて色を調整している中華麺もあります。

 

 

かんすいの歴史

かんすいは添加物として扱われているため、近年になって開発されたと考える方は多いかもしれません。

しかし、かんすいは非常に古くから使われてきました。

 

かんすいの起源は明確にはなっていませんが、今から1700年前の中国内モンゴル自治区で、炭酸ナトリウムを多く含む湖の水で小麦粉をこねて麺を作っていたことがわかっています。

湖の水を使用するだけでなく、乾季に湖が干上がったときには、湖底に残った炭酸ナトリウムの固形物を水に溶かして使われていました。

これがかんすい、また、中華麺の起源とされています。

 

なお、中国北部の水はアルカリ性であるのに対し、南下するに従って水は酸性になります。

そのため、中国南部で作られる麺はコシがなかったといわれています。

中国北部の湖に炭酸ナトリウムが含まれ、コシのある麺が作れることが判明してからは、前述した炭酸ナトリウムの固形物が販売されるようになりました。

 

そのほか、台湾では植物の根や幹、葉などを焼いて炭酸カリウムが主成分となる灰汁を作り、小麦粉に混ぜて使用していたといわれています。

 

 

かんすいは体に悪い?

結論から述べると、かんすいは科学的に安全性が認められています。

市場に出回っている中華麺は、食品衛生法で厳しく規制されており、日本食品添加物協会が安全だと認定したかんすいのみが使用されています。

かんすいの原料である炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなども、健康被害が生じるリスクは認められていません。

 

とはいっても、かんすいは身体に悪いといわれていた時期がありました。

また、かんすいは身体に悪いから無かんすい麺を食べるようにしているという方もいらっしゃいます。

 

なぜなら、戦後の日本では身体に有害な水酸化アルカリやケイ酸アルカリ、工業用の水酸化ナトリウムなどがかんすいとして使われていたためです。

ある組合がかんすいの健康被害のリスクを指摘したことから、現在は安全性の高い原料で作られています。

 

 

かんすい以外の中華麺に含まれる添加物

中華麺のなかには、かんすい以外の添加物が含まれているものがあります。

中華麺にはどのような添加物が使われているのか、見てみましょう。

 

なお、次に紹介する添加物もかんすい同様に安全性が認められています。

 

 

増粘安定剤

中華麺のねばりを高め、なめらかにするときに用いられる添加物です。

豆やりんご、みかん、海藻などから抽出されるアルギン酸やペクチンなどで作られています。

 

 

乳化剤製

中華麺に油脂を使うときに用いられる添加物で、油脂を均一に分散し、品質を安定させます。

一般的には、大豆油を精製するときに抽出されるレシチンが原材料です。

 

 

酸化防止剤

油脂の酸化を防ぐ添加物です。

とうもろこしや大豆などから抽出されるビタミンEの成分・トコフェロールが酸化防止剤として使われています。

原材料表示には「ビタミンE」または「V.E」と記載されることが一般的です。

 

 

着色料

中華麺をよりおいしそうに見せ、色を一定に保つために着色料が使われることがあります。

着色料にはさまざまな種類がありますが、中華麺にはクチナシ色素やカラメル、カロテンなどが使用されることが一般的です。

 

 

強化剤

強化剤とは、不足しがちな栄養素を摂取できるよう、加える添加物です。

主に、カルシウムやビタミン類などが加えられています。

 

 

まとめ

中華麺にはかんすいという添加物が不可欠です。

なかには、かんすいを使用しない無かんすい麺もありますが、中華麺独自の風味やコシはあまり感じられません。

かんすい以外にも、よりおいしく安全に食べられるよう、さまざまな添加物が中華麺に加えられることも。

 

「添加物は身体に良くない」というイメージをお持ちの方は少なくありません。

しかし、一般的に使用されている添加物は安全性が認められておりますので、ご安心ください。

とはいえ、添加物に限らず、特定の食品ばかり摂取しすぎるのは身体に負担をかけてしまいます。

栄養バランスを考慮して、中華麺を食してくださいね。

 

 

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